白十字総合病院の前身は、昭和10年9月 茨城県鹿島郡軽野村に恩賜保養農園を開設し、結核患者の予防・治療・療養にあたったのが始まりであります。その後、疾病構造の変化とともに昭和45年8月の鹿島臨海工業地帯開発に伴い、現在の地に白十字総合病院として新築移転したのであります。その後、保育園、介護入所施設、高等看護学校、健診センター、訪問看護施設を次々に設立し、まさに鹿行地域住民のため、予防・医療・福祉サービスの自己完結型を目指し、一人でも多くの人が、社会復帰できるよう多くの先達者が頑張ってきました。白十字総合病院がかかげる理念に向けて実行してきたのであります。
しかしながら、平成12年の第4次医療法改正以来、国は医療費削減政策の一環として効率的医療提供の名のもとに急性期病床と慢性期病床の二分化を目指し、中規模病院経営に様々な難問を突きつけてきました。元来、患者さん側から見て一つの体を各専門領域で小刻みにみられ、また急性期治療が終わり、身体的精神的回復がなされずに他病院、他施設に帰されても患者の満足度はあがるわけはないのです。
結論として、当院の運営方針としては、大学付属病院、独立行政法人機構(かつての国立病院)が目指す第3次救急医療や高度先進医療は望まず、今後も健診センターを中心とした保健予防活動にカを入れるとともに二次救急医療体制の質的レベルを上げ、白十字総合病院で急性期患者を治療し、総合病院と周辺施設または地域との連携を密にし、心身上の弱者をできる限り地域社会にお返しするという姿勢をくずさず運営していく所存であります。
先人達が築きあげてきた保健・医療・福祉の連携を通じて更に質の高いサービスを提供し、常に患者さんの満足の得られる病院作りを目指したいと考えております。
白十字総合病院 院長 鈴木善作